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スタッフ日記

2025.12.15

民泊の始め方完全ガイド!個人向けの開業方法&費用と7つの注意点を徹底解説!

皆さんこんにちは。

スリーアローズ部屋バル、行政担当の大槻と申します。

今回は民泊物件で営業開始するまでにやるべき事についてお話します。

今、訪日外国人観光客の増加に伴い、民泊ビジネスへの注目が高まっています。個人でも参入しやすく、高い収益性が期待できる一方で、法令遵守や適切な手続きが求められるのも事実です。

この記事では、民泊を始めたい個人オーナーや小規模事業者の方に向け、開業手順から必要な届出、費用の目安、そして失敗しないための7つの注意点まで徹底解説します。安心して民泊事業をスタートできるよう、参考にしてみてください。

民泊運営について相談する

民泊がいま注目される理由とは?

近年、日本の民泊市場は大きな注目を集めています。2024年には訪日外国人観光客数が3,500万人を突破し、観光業界全体が急速に回復している中で、現状ある宿泊施設だけでは多くの訪日外国人観光客全てを賄うことは難しいと考えられているからです。

ホテルや旅館の客室不足が深刻化しており、民泊の需要が急増しています。政府も住宅宿泊事業法の運用強化や観光業支援策を進めており、民泊事業の参入環境が整いつつあるのです。また、短期宿泊による高い収益性や価格設定の柔軟性により、従来の賃貸経営よりも利回りが高く、個人でも参入しやすいビジネスモデルとして評価されています。

都市部だけでなく地方エリアでも民泊需要が拡大しており、観光客が集中するエリアでは宿泊施設の確保が難しく、民泊はより収益性の高い選択肢といえます。ビジネスやワーケーション、長期滞在など宿泊ニーズも多様化しており、今が民泊参入の好機といえるでしょう。

 

民泊の始め方をステップで確認!

民泊を始めるには、物件の準備から行政への届出、運営開始まで複数のステップを踏む必要があります。ここでは民泊開業の具体的な流れを6つのステップに分けて解説していきます。各ステップを丁寧に進めることで、スムーズに民泊事業をスタートできるでしょう。

 

STEP1:オーナー承諾・物件借り上げ

まずは、民泊事業に利用する物件の選定から始まります。自宅の空き部屋を活用する家主同居型もありますが、現在の日本では家主不在型の民泊物件が主流となっています。

賃貸物件を借りる場合は、必ず物件オーナーから民泊利用の承諾を得ることが必要です。承諾なしで民泊を始めると契約違反となり、退去を求められる可能性があります。

物件選びでは、民泊新法で規定されている要件を満たしているか確認しましょう。キッチン、浴室、トイレ、洗面所が備え付けられている必要があり、実際に人の生活の本拠地として使用されている家屋であることが求められます。また、入居者を募集している家屋や、随時オーナーが居住のために使える家屋であることも要件の一つです。

民泊を行うためには、新法民泊の場合は開業可能な用途地域が自治体によって異なるため、条例の確認が欠かせません。旅館業法における民泊事業の場合は、住居地域・商業系の地域・準工業地域・用途地域の指定がない地域に限られるといった決まりがあることも覚えておきましょう。物件契約の前に、必ず自治体の条例や用途地域を確認してください。

賃貸物件を借りる際は、契約書に民泊利用が可能であることを明記してもらうことをおすすめします。口頭での承諾だけでは後々トラブルになる可能性があるため、書面だと安心です。

 

STEP2:内装準備

物件が決まったら、民泊施設として運営するための内装準備に取り掛かります。内装のコンセプトを明確にし、ターゲットとする宿泊者層に合わせたデザインや設備を整えることで、競合との差別化が図れるでしょう。例えば、外国人観光客向けであれば広めのベッドや収納力のあるクローゼット、ビジネス客向けであればワークスペースやWi-Fi環境の整備などが考えられます。

宿泊者は民泊先を探す際、検索サイトで内部写真を見て選ぶことが多いため、写真映えする空間づくりが稼働率アップにつながります。清潔感があり、快適に過ごせる空間の提供が、良いレビューを獲得しリピーターの確保も期待できるでしょう。

居室面積についても基準があり、宿泊者1人当たり3.3㎡以上確保されている必要があります。また、適切に清掃・換気できる環境を整えること、非常用照明器具等の設置、避難経路の明示なども求められます。これらの要件を満たさなければ、民泊の届出が受理されない可能性があるため注意が必要です。

外国人宿泊者への対応として、住宅設備の使用方法や移動交通手段に関する情報を外国語で案内できるよう準備しましょう。英語での案内は最低限必要となります。また、近隣への騒音やごみのトラブル、火災防止に配慮した設備や案内も整えておくことが大切です。

内装準備の段階で、自治体によっては独自のルールが設けられている場合があることも認識しておきましょう。例えば千葉市では民泊施設の要件として一居室の床面積が原則25㎡以上であることを定めています。必ず地域の条例を確認したうえで内装準備を進めることをおすすめします。

 

STEP3:民泊営業の届出・許可申請

内装準備が整ったら、いよいよ行政への届出や許可申請を行います。民泊営業を開始するには、旅館業の許可申請か住宅宿泊事業届出のいずれかの手続きが必要です。どちらを選ぶかによって営業日数や手続きの内容が異なるため、自分の事業計画に合った方法を選択しましょう。

 

住宅宿泊事業届出の場合

住宅宿泊事業届出は、年間180日までの営業を行う民泊に適用される制度です。この届出を行うことで、比較的簡易な手続きで民泊事業を始めることができます。届出は民泊制度運営システムからオンライン申請が基本ですが、紙媒体での提出も可能となっています。

届出には住宅の登記事項証明書、住宅の図面、賃貸借契約書の写し(賃貸物件の場合)、管理規約の写し(区分所有建物の場合)、消防法令適合通知書などの書類が必要です。家主不在型の場合は住宅宿泊管理業者への委託契約書も必要となります。

届出を提出してから受理されるまでの間は営業ができないため、余裕をもったスケジュールを組むことが大切です。届出が受理されると届出番号が発行され、正式に民泊営業を開始できるようになります。

ただし、年間180日といった営業日数の制限があるため、フルに稼働させても半年分の収益しか得られません。収支計画を立てる際は、この点を十分に考慮する必要があるでしょう。副業として民泊を始める場合や、別荘を使わない期間だけ貸し出したい場合には適した制度といえます。

 

旅館業の許可申請の場合

旅館業の許可申請は、年間365日営業できる民泊を行う場合に必要です。ホテルや旅館のように通年稼働できるため、より高い収益を目指すことができる反面、手続きが複雑で時間もかかります。

旅館業許可に時間がかかる理由の一つとして、許可申請物件の110m以内に小・中学校、保育園、公園等がある場合、保健所から各部署に意見照会をかける必要があることが挙げられます。自治体によって異なりますが、返答まで約1ヶ月から2ヶ月ほど時間がかかることがあるのです。

旅館業民泊の場合は、民泊物件が所在する都道府県の保健所に申請を行います。しかし申請する前に、建築指導課と開発指導課で民泊登録の要件、建築基準や建築許可を満たしているかチェックする必要があります。要件を満たしていないと保健所に申請ができないため、物件購入前に確認しましょう。

旅館業の許可を取得するためには、消防設備の設置基準もより厳格になります。自動火災報知設備、誘導灯、消火器などの設置が義務付けられており、設備投資の費用も高額になる傾向があります。しかし365日営業できることで、投資回収のスピードも早くなる可能性があるでしょう。

 

STEP4:料金設定・ルールなどの準備

届出や許可申請の手続きと並行して、民泊の料金設定やハウスルールの準備を進めましょう。料金設定は周辺の競合施設の価格を調査し、自分の民泊の設備やサービス内容を考慮して決定します。シーズナリティを活かした価格設定の柔軟性が民泊の大きな魅力の一つです。

観光シーズンやイベント開催時には料金を高めに設定し、閑散期には割引価格で稼働率を上げるなど、需要に応じた価格調整を行うことで収益を最大化できます。また、長期滞在割引や早期予約割引などの料金プランを設けるのも、利用促進に効果的です。

ハウスルールの作成も重要で、チェックイン・チェックアウトの時間、喫煙の可否、ペットの同伴可否、パーティーの禁止、ゴミの分別方法など、宿泊者に守ってもらいたいルールを明確に記載しましょう。特に外国人宿泊者向けには、日本の生活習慣や文化についても説明しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。

靴の脱ぎ履き、入浴方法、ゴミの出し方、騒音への配慮など、日本独特のマナーについてもルールブックを作成しておくことをおすすめします。写真やイラストを交えた分かりやすい説明を用意し、言語の壁を越えて理解してもらうようにしましょう。

キャンセルポリシーも明確にし、予約のキャンセル期限や返金条件を事前に決めておくことで、宿泊者との間のトラブルを避けやすいです。また、予約時の本人確認方法や、鍵の受け渡し方法なども事前に決めておきましょう。

 

STEP5:民泊仲介サイトの掲載

民泊の準備が整ったら、民泊仲介サイトへの登録を行います。Airbnbや楽天STAY、Booking.comなど、複数の仲介サイトに登録することで、より多くの宿泊者の目に触れる機会が増えるでしょう。各サイトの特徴や手数料を比較し、自分の民泊に適したプラットフォームを選択することが大事です。

物件の魅力を最大限に伝えるため、写真撮影には特に力を入れてください。明るく清潔感のある写真を複数枚用意し、部屋の全体像だけでなく、細部の設備や周辺環境の紹介も大切です。自身で撮影するのでも問題はありませんが、プロのカメラマンに依頼することで、より奥行きを出し、宿泊している所を想像しやすい写真を掲載できます。

物件の説明文も、詳細に記載した方が利用者にわかりやすく伝わります。立地の利便性、周辺の観光スポット、交通アクセス、設備の特徴、宿泊人数、提供するアメニティなどを具体的に説明しましょう。サイトでも、外国人宿泊者が多い場合は、英語での説明文が必須です。

初めて民泊を掲載する際は、レビューがまだない状態からスタートします。最初の数件は料金を抑えめに設定し、良いレビューを集めることに注力するのも一つの戦略です。

また、予約管理システムの活用も検討しましょう。複数の仲介サイトに掲載する場合、ダブルブッキングを防ぐため、予約カレンダーを一元管理できるツールを使用すると便利です。

 

STEP6:民泊の運営開始

すべての準備が整い、民泊仲介サイトへの掲載も完了したら、運営開始です。予約が入ったら、宿泊者とのコミュニケーションを丁寧に行いましょう。チェックイン方法や鍵の受け渡し、施設の使い方などを事前に説明しておくことで、スムーズなチェックインが可能となります。

スマートロックやキーボックスを活用すると、非対面でのチェックインが可能です。特に家主不在型の民泊では、遠隔での鍵の管理が欠かせません。宿泊者の到着時間に合わせ、柔軟に対応できる体制を整え、チェックイン後も宿泊中に困ったことがないか適宜確認することで、満足度を高めることができます。

運営を続ける中で、宿泊者からのフィードバックを真摯に受け止め、改善点があれば積極的に対応していくことが大切です。良いレビューには感謝のメッセージを返し、改善要望があれば可能な範囲で対応すると、リピーターの獲得や評価向上につながるでしょう。

また、トラブルが発生した際の対応手順もあらかじめ決めておきましょう。設備の故障、近隣からのクレーム、宿泊者とのトラブルなど、様々な事態に備えた対応マニュアルを作成しておくことで、慌てることなく適切に対処できます。必要に応じて、民泊運営代行会社のサポートを受けることも選択肢の一つです。

 

民泊の届出・許可申請の流れを詳しく解説!

民泊を始めるには、適切な届出や許可申請が不可欠です。ここでは、必要書類や具体的な手続きの流れ、そして手続きにかかる期間について詳しく解説していきます。正しい手順を理解し、スムーズに手続きを進めましょう。

 

届け出に必要な書類

民泊の届出や許可申請には、複数の書類を準備する必要があります。住宅宿泊事業届出の場合、住宅の登記事項証明書が必要です。法務局で取得できるこの書類は、物件の所有者や権利関係を証明する書類です。登記事項証明書の取得には、数百円から千円程度の手数料がかかります。

住宅の図面も必須書類の1つで、各階の平面図や設備の配置図など、民泊施設の構造を明確に示す図面を用意しましょう。建築時の図面がない場合は、新たに作成する必要があります。賃貸物件の場合は、物件オーナーから民泊利用の承諾を得ていることを照明する賃貸借契約書の写しも求められます。

区分所有建物の場合は、マンションの管理規約の写しを提出しなければなりません。管理規約で民泊が禁止されていないことを確認し、必要に応じて管理組合の承諾書も取得しましょう。消防法令適合通知書も重要な書類で、消防署で物件の消防設備が法令に適合していることを確認してもらった上で、発行を行います。

家主不在型の民泊を行う場合は、住宅宿泊管理業者との委託契約書も必要です。国土交通大臣の登録を受けた管理業者と契約し、その契約書を提出します。これらの書類に加えて、届出者の本人確認書類や欠格事由に該当しないことを誓約する書類なども求められることがあります。

旅館業の許可申請の場合は、さらに詳細な書類が必要となります。建物の構造設備を明らかにする図面、営業施設の概要、配置図、各階平面図などを用意しなければなりません。また、建築基準法や消防法など、各種法令に適合していることを証明する書類も必要です。

必要書類は自治体によって多少異なる場合があるため、届出や申請の前に管轄の保健所や行政窓口への確認をおすすめします。書類に不備があると受理されず、手続きが遅れる原因となるため、事前に確認を行ってください。専門知識が必要な書類が多いため、不安な場合は行政書士に相談も検討しましょう。

 

具体的な手続きの流れ

住宅宿泊事業届出の手続きは、まず民泊制度運営システムにアカウントを登録するところから始まります。オンラインで届出を行う場合、システムに必要事項を入力し、準備した書類をアップロードしていく流れとなっており、電子申請に慣れていない方でも、システムのガイドに従って進めれば比較的スムーズに手続きできるでしょう。

届出を提出すると、行政機関による審査が行われます。提出書類に不備がないか、民泊の要件を満たしているかなどがチェックされ、審査期間中に追加書類の提出を求められるケースもあるため、迅速な対応をしてください。審査が完了すると、届出番号が発行され、正式に民泊営業を開始できます。

旅館業の許可申請の場合は、まず保健所で事前相談を行います。物件の図面を持参し、旅館業の許可要件を満たしているか確認してもらいましょう。消防署でも事前相談が必要で、消防設備の設置について指導を受けます。これらの事前相談には予約が必要な場合が多いため、早めに連絡を取ることをおすすめします。

事前相談で問題がなければ、申請書類を保健所に提出し、審査を受けることとなりますが、審査の過程で現地調査が行われることもあり、実際に物件を訪問して設備や構造を確認されます。すべての審査をクリアすると、旅館業の許可証が交付され、365日営業できる民泊が開始できます。

手続きの過程で、建築指導課や消防署など複数の部署との調整が必要になる可能性もあるでしょう。各部署の営業時間や対応曜日を確認し、効率的にスケジュールを組むことが大切です。

 

民泊の手続きは物件契約後1〜4ヶ月必要!その理由は?

住宅宿泊事業届出の場合、物件契約後から実際に営業を開始できるまでには約1ヶ月の期間が必要です。これは、届出書類の準備、消防設備の設置、行政による審査などに時間がかかるためです。特に消防法令適合通知書の取得には、消防署との事前相談や消防設備の設置工事が必要となり、これだけで数週間を要することがあります。

届出を自分で行う場合、慣れない手続きや書類作成に時間がかかることも予想されます。不備があれば修正や再提出が必要となり、さらに期間が延びることになるでしょう。平日に仕事をしている方は、保健所や消防署への相談や書類提出のために予約を取り、時間を調整する必要があるので、手続き期間が長くなる要因となります。

旅館業許可の場合は、さらに長い期間が必要で、約2〜3ヶ月かかることが一般的です。旅館業許可の場合は、消防設備の基準がより厳格で、設備の設置工事にも時間がかかります。自動火災報知設備や誘導灯などの設置には、消防設備士による工事が必要となり、工事の予約から完了まで数週間かかることも珍しくありません。

さらに、工事完了後には消防署による検査があり、これに合格しなければ許可が下りません。申請書類の準備にも、時間がかかり、建物の図面作成、各種証明書の取得、関係者との調整など、一つ一つの作業に数日から数週間を要します。特に賃貸物件の場合、物件オーナーからの承諾書取得や、マンションの管理組合との調整に予想以上の時間がかかることもあるでしょう。

許可や届出が受理されるまでの期間は営業ができないため、この期間の家賃や維持費が空家賃として発生します。機会損失も考慮すると、手続きが遅れることによる経済的損失は大きくなりかねません。余裕を持ったスケジュールを組み、必要に応じて専門家のサポートを受けることを検討しましょう。

 

民泊を始める時の費用の目安は?

民泊を始めるには、様々な初期費用が必要となります。ここでは、リノベーション費用から消防設備、家具家電、アメニティ、届出費用まで、具体的な費用の目安を解説していきます。予算計画を立てる際の参考にしてください。

 

リノベーション費用

物件の状態によって大きく異なりますが、リノベーション費用は民泊開業の初期費用の中でも大きな割合を占めています。既に生活に必要な設備が整っている物件であれば、最小限のリノベーションで済むでしょう。しかし、キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備を新設または改修する必要がある場合は、数十万円から数百万円の費用がかかることがあります。

床や壁紙の張替え、塗装なども必要に応じて行います。清潔感のある空間を提供するため、古くなった部分は新しくし、断熱性や防音性を高めるための工事も、宿泊者の満足度向上に貢献するでしょう。工事費用は、物件の広さや仕様によって異なりますが、一般的な戸建てやマンション一室であれば50万円から150万円程度が目安となります。

民泊のコンセプトに合わせた特別な内装を施す場合は、さらに費用がかかります。例えば、和風テイストの民泊にするために畳や障子を設置したり、モダンなデザインにするために特注の家具を造作したりする場合です。差別化を図るための投資として、計画的に予算を組みましょう。

リノベーション費用を抑えるためには、自分でできる部分は自分で行うことをおすすめします。塗装や壁紙の張替え、簡単な家具の組み立てなどは、DIYで対応できる場合があります。ただし、水回りや電気工事などは専門業者に依頼する必要があるため、どこまで自分で行うかを慎重に判断しましょう。

 

消防設置費用

民泊を始めるには、消防法に基づいた消防設備の設置が必須となります。一般的な戸建てサイズの民泊施設では、消防設備の導入費用として20万円から80万円程度が相場です。ただし、物件の規模や構造、家主居住型か不在型かによって必要な設備が異なるため、費用も変動します。

家主不在型の民泊や、家主居住型でも宿泊室の床面積が50㎡を超える場合は、住宅用火災警報器の設置が必要です。数千円〜2万円程度で設置できるので、ここでの大きな負担はありません。しかし無線式の自動火災報知器設備を設置する場合は、20〜80万円と費用の幅が広いため、設置する際によく業者に相談しましょう。

民泊部分の床面積が150㎡以上ある戸建ての場合は、消化器の設置義務があります。業務用の消火器を準備する必要があり、家庭用の消火器では消防検査に通りません。消火器の価格は1本あたり数千円から1万円程度ですが、設置場所や数量は消防署の指導に従って決定します。

誘導灯の設置も必要となる場合があり、非常口の位置を示す誘導灯や、避難経路を照らす階段通路誘導灯などがあります。設置費用は1台あたり3〜10万円程度です。ただし、建築基準法上の非常用照明で代用できる場合もあるため、消防署に相談して最適な方法を選択しましょう。

非常用照明の場合は、数万円で設置できます。消防設備の設置には専門知識が必要なため、消防設備士の資格を持つ業者に依頼すると良いでしょう。設備の設置だけでなく、消防署への届出や検査の立ち会いなどもサポートしてもらえるため、スムーズに手続きを進めることができます。

 

消防設備に関してはこちらの記事も参考にしてください。

◼︎“消防の基礎”を超〜わかりやすく解説📚

 

家具・家電など設備の費用

民泊を始めるには、宿泊者が快適に過ごせるよう、必要な家具や家電を一式揃える必要があります。最低限必要なものとして、ベッドや布団、テーブル、椅子、収納家具などです。

寝具は宿泊人数分を用意し、清潔で快適な睡眠環境の提供をしましょう。ベッドや布団の購入費用は、品質にもよりますが、1人分で3〜10万円程度を見込んでおくとほとんどが揃います。

家電製品も必須で、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、ケトル、テレビ、エアコン、洗濯機、掃除機などを揃える必要があります。これらの家電を新品で購入する場合、合計で50〜100万円程度の費用がかかることが一般的です。中古品やリサイクル品を活用し、費用を抑えるのも一つの手段です。

鍋、フライパン、食器、カトラリー、調理器具、包丁、まな板など、基本的な調理ができるようにキッチン用品も一通り揃えましょう。外国人宿泊者が多い場合は、箸だけでなくフォークやナイフも用意しておくと親切です。キッチン用品一式で2〜5万円程度が目安となります。

Wi-Fi環境の整備も大切で、ルーターや通信契約の初期費用、月額利用料などが発生します。快適なインターネット環境を提供し、ビジネス客やリモートワーク利用者にも対応できるようにしましょう。また、スマートロックやセキュリティカメラなどの設備を導入する場合は、追加で数万円の費用がかかります。

インテリア小物や装飾品にもこだわると、民泊の魅力が増します。観葉植物、アート作品、照明器具などで空間を演出し、写真映えする部屋を作ることで、予約率の向上が期待できるでしょう。これらの費用は必須ではありませんが、差別化を図るための投資として検討する価値があります。

 

アメニティ費用

宿泊者の満足度を高めるためには、充実したアメニティの提供が重要です。基本的なアメニティとして、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープ、歯ブラシ、タオル、バスタオル、スリッパなどがあります。これらのアメニティを初回分として揃える場合、宿泊人数や品質にもよりますが、5〜10万円程度の費用を見込んでおきましょう。

消耗品であるトイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗剤、ゴミ袋などは、宿泊者が使用するたびに補充しなければなりません。これらのランニングコストも、運営費用として計上しておく必要があります。月々の消耗品費は、稼働率にもよりますが、数千円〜1万円程度が目安です。

シーツ、枕カバー、タオル類は宿泊者が変わるごとに洗濯が必要で、自分で洗濯する場合は水道光熱費と時間がかかり、クリーニングサービスを利用する場合は外注費が発生します。清潔なリネンを常に提供できるよう、予備のリネンセットを複数用意しておくことをおすすめします。

 

届出・許可申請費用

民泊の届出や許可申請を自分で行う場合、主な費用は書類の取得費用です。住宅の登記事項証明書の取得に数百円、その他の証明書類の取得にもそれぞれ数百円から数千円程度かかります。すべて合わせても、自分で手続きを行う場合の費用は数千円程度で済むでしょう。

行政書士に届出や許可申請を代行してもらう場合は、手数料として30万円から50万円程度の費用が必要です。この費用は決して安くはありませんが、専門家に依頼することで書類の不備を防ぎ、スムーズに手続きを進めることができます。特に旅館業許可の申請は手続きが複雑なため、専門家のサポートが欠かせません。スリーアローズでは民泊に特化した行政書士をご紹介しており、費用や申請スピードの改善につながります

また自分で手続きを行う場合、書類の準備や役所への相談、提出などに多くの時間を費やすことになります。平日に仕事をしている方は、手続きのために休暇を取る必要があり、その分の機会損失も発生しかねません。専門家に依頼するメリットとして、本業に集中しながら民泊開業の準備を進めることも挙げられるでしょう。

保健所への申請手数料は自治体によって異なりますが、旅館業許可の場合は数万円程度かかることがあります。また、建築確認申請が必要な場合は、その手数料も別途発生します。これらの公的な手数料は必ず支払わなければならない費用として、予算に組み込んでおきましょう

 

民泊を始める時の7つの注意点を紹介!

民泊を成功させるためには、開業前に知っておくべき重要な注意点があります。ここでは、民泊を始める際に特に気をつけるべき7つのポイントについて詳しく解説していきます。注意点を押さえることで、トラブルを未然に防ぎ、安定した運営が可能になるでしょう。

 

①需要のある地域や物件をリサーチする

民泊の成功には、需要のある地域や物件を選ぶことが不可欠です。観光地や都市部、交通の便が良い場所は宿泊需要が高く、安定した稼働率が見込めます。一方で、観光スポットから離れた場所や、アクセスの悪い立地では、いくら設備が充実していても予約が入りにくいことがあります。物件選びの前に、その地域の観光客数や宿泊施設の供給状況をしっかりとリサーチしましょう。

民泊仲介サイトで周辺エリアの物件を検索し、料金設定や予約状況、レビュー内容を確認し、需要の程度を把握します。高評価の民泊が多く、予約が埋まっているエリアは需要が高いと判断できるでしょう。逆に、空室が目立つエリアは競争が激しいか、需要が少ない可能性があります。

駅やバス停からの距離、周辺の飲食店やコンビニの有無、観光スポットへのアクセスなども重要な要素です。特に外国人観光客をターゲットとする場合、公共交通機関でアクセスしやすい立地が好まれます。また、地域のイベントやお祭り、スポーツ大会などの開催スケジュールも調べておくと、需要の波を予測しやすくなるでしょう。

都市部の宿泊施設不足により、観光客の地方分散が進んでいることで、地方での民泊も注目されています。古民家や温泉宿泊、農泊などのコンセプトを打ち出すことで、地方でも成功する可能性は十分にあります。

 

地方民泊に関する詳しい情報は、こちらの記事でも紹介しています。

◼︎地方民泊が今アツい! 

 

②民泊ができる住宅や物件をリサーチする

すべての物件で民泊ができるわけではなく、地域の条例や消防法、建築基準法などの法令により、民泊運営が制限されている場合があります。特に用途地域の指定によっては、民泊営業が認められないエリアもあるため、事前の確認が必須です。自治体の窓口やウェブサイトで、該当地域での民泊の可否を必ず確認しましょう。

消防法の基準を満たせるかどうかも重要で、建物の構造や規模によっては、消防設備の設置に多額の費用がかかる可能性があります。また、そもそもの基準を満たすことが困難なケースもあるでしょう。特にマンションの一室を民泊にする場合、建物全体の消防設備の基準が変わる可能性があり、管理組合や他の住民との調整が必要です。

住宅を宿泊施設として使用する場合、建築基準法上の用途変更を行う建築確認申請が必要となる可能性があります。この手続きには専門的な知識と費用が必要なので、物件を購入または賃借する前に、建築士や行政書士に相談し、民泊運営に問題がないか確認しましょう。

自治体によっては、民泊営業が可能な地域を限定していたり、営業日数に独自の制限を設けていたりする可能性があります。例えば、学校や保育園の周辺では民泊営業が制限されている場合があり、住宅専用地域では一切認められないこともあります。これらの情報は自治体のウェブサイトや窓口で確認できるため、物件選定の段階で必ず調べておきましょう

 

③マンションの管理規約の確認

マンションで民泊を始める場合、管理規約の確認が絶対に必要です。多くのマンションでは、管理規約で民泊営業を禁止している場合があり、これを無視して民泊を始めると、管理組合から運営停止を求められたり、最悪の場合は退去を余儀なくされたりする可能性があります。購入や賃借の前に、必ず管理規約を確認しましょう。

管理規約で民泊が明確に禁止されていなくても、不特定多数の出入りを制限する条項がある場合は注意が必要です。このような条項がある場合、民泊営業が規約違反と見なされる可能性があります。不明な点がある場合は、管理組合の理事会に事前に相談し、民泊営業の可否を確認してみてください。

民泊営業が認められている場合でも、他の住民への配慮が大事です。宿泊者の出入りによる騒音やゴミ出しのトラブル、共用部分の使用方法など、近隣住民とのトラブルを避けるためのルールを明確にしましょう。宿泊者にマンションのルールを事前に説明し、守ってもらうための工夫が必要です。

住宅宿泊事業の届出を行う際、区分所有建物の場合は管理規約の写しを提出する必要があります。管理規約で民泊が禁止されていないことを証明しなければ、届出が受理されません。場合によっては、管理組合から民泊営業を承諾する旨の書面の取得を求められることがあります。

 

④賃貸の場合はオーナーの許可を得る

賃貸物件で民泊を始める場合、必ず物件オーナーから事前に許可を得なければなりません。賃貸借契約では通常、又貸し(転貸)が禁止されており、無断で民泊営業を行うことは契約違反となります。契約違反が発覚した場合、即座に契約解除となり、多額の違約金を請求される可能性もあるため、必ずオーナーの承諾を得ましょう。

オーナーに民泊営業の許可を求める際は、具体的な事業計画を提示が効果的です。どのような方法で運営するのか、近隣への配慮をどのように行うのか、トラブルが発生した場合の対応方法などを明確に説明し、オーナーの理解を得やすくしてください。家賃の増額や敷金の追加など、条件付きで許可が下りることもあるでしょう。

口頭での約束だけでは、後々トラブルになる可能性があるため、許可を得た後は、必ず書面で契約を交わすことが重要です。賃貸借契約書に民泊営業を認める特約を追加してもらうか、別途承諾書を作成してもらいましょう。この書面は、住宅宿泊事業の届出を行う際にも必要となります。

オーナーが民泊営業を承諾してくれない場合は、無理に説得せず、他の物件を探すことをおすすめします。無断で民泊を行うことは法的にも問題があり、発覚した場合のリスクが大きすぎるためです。民泊営業可能な物件を専門に扱う不動産会社もあるため、そうした会社に相談するのも一つの方法です。

 

⑤住宅ローンやローン控除を受けられない可能性がある

自宅を民泊として利用する場合、住宅ローンやローン控除に影響が出る可能性があることを理解しておく必要があります。住宅ローンは、本人が居住するための住宅を購入する際に利用できる低金利のローンです。しかし、民泊として他人に貸し出す場合、住宅ローンの利用条件から外れる可能性があります。

金融機関によっては、民泊営業を行うことで住宅ローンの一括返済を求められたり、事業用ローンへの切り替えを要求されたりするケースも珍しくありません。事業用ローンは住宅ローンよりも金利が高く設定されているため、月々の返済額が増加するケースもあります。民泊を始める前に、必ず住宅ローンを借りている金融機関に相談し、民泊営業の可否を確認しましょう。

住宅ローン控除は、自己の居住用住宅を取得した場合に、所得税や住民税から一定額を控除できる制度です。住宅を民泊として貸し出す場合、自己居住用とは見なされず、控除の対象外となる可能性があり、特に家主不在型の民泊では控除が適用されなくなるリスクが高いです。

家主居住型の民泊であれば、自宅の一部を貸し出すだけなので、住宅ローンや控除への影響が少ない場合もあります。ただし、民泊として貸し出す部分の割合や営業日数によって判断が異なるため、税務署や税理士への相談をおすすめします。不適切な申告をすると、後から追徴課税を受ける可能性もあるため、慎重な対応が必要です。

 

⑥最高収益が決まってしまう

住宅宿泊事業届出による民泊は、営業の日数が年間180日と制限があります。この制限により、どれだけ稼働率が高くても、最高収益が自動的に決まってしまうことになります。365日フル稼働できるホテルや旅館業許可を取得した民泊と比べると、収益性に限界があることを理解しておく必要があるでしょう。

最高収益が決まってしまうため、初期投資額を回収するのにどれくらいの期間がかかるか、運営費用を差し引いて実際にどれくらいの利益が残るかを現実的にシミュレーションしましょう。楽観的な予測だけで始めると、予想外の赤字に陥る可能性があります。

制限がある中で収益を最大化するためには、料金設定の工夫が重要です。需要の高いシーズンには料金を上げ、閑散期には割引価格で稼働率を確保するなど、戦略的な価格調整が必要となります。また、宿泊料だけでなく、清掃料やサービス料などの追加収入も検討し、収益の底上げを図りましょう。

営業できない日は自分や家族が使用する、メンテナンスや大規模な清掃に充てる、長期賃貸として貸し出すなど、どのように活用するのか検討することも大切です。特に別荘やセカンドハウスを民泊として活用する場合は、自分が使わない期間だけ貸し出すなど柔軟な運営ができるため、収益性と利便性のバランスを取りやすいでしょう。

 

⑦確定申告が必要になる

民泊による収入がある場合、確定申告が必要になることがあります。本業として民泊運営を行う場合、所得金額(収入から経費を差し引いた額)が38万円を超えると確定申告が必要です。副業として民泊を運営する場合は、所得金額が20万円を超えた時点で確定申告が必要なので、必ず確定申告を行いましょう。

確定申告を行うことで、民泊運営にかかった費用を経費として計上できます。物件までの交通費、清掃費、光熱費、消耗品費、修繕費、消防設備の点検費用、仲介サイトへの手数料など、事業に関連する支出はすべて経費として認められます。領収書やレシートは必ず保管しておき、何にいくら使ったかを記録しておくことが重要です。

減価償却費も経費として計上できるので、建物や設備、家具家電などの購入費用は、一度に全額を経費にするのではなく、耐用年数に応じて毎年少しずつ経費計上するようにしましょう。減価償却により、長期的に税負担の軽減ができますが、計算方法が複雑なため、税理士に相談する方がスムーズです。

 

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民泊は、必要な知識と準備さえ整えれば、個人でも無理なく始められる事業です。しかしながら、個人で民泊を始めようとすると、必要な作業が非常に多いことがお分かりいただけたと思います。

作業の多くは代行業者や仲介サービスに委託することで負担を減らし、自分の時間を確保できます。民泊は法令遵守や各種手続き、消防設備の準備などクリアすべき課題も多いため、初心者ほど専門家のサポートを活用することが重要です。

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