空き家を所有している方の中には、「ただ放置するのはもったいない」「誰かに貸して有効活用できないか」と考えている方も多いのではないでしょうか。特に40代・50代の男性や、不動産オーナー、不動産管理会社など、物件を所有している立場にある方にとっては、空き家の有効活用は資産管理の一環とも言えます。
この記事では、空き家を個人で貸す際の流れや、貸し出すことのメリット・デメリット、かかる費用相場、注意すべきポイントまで詳しく解説します。
空き家を貸すには、計画的な準備と十分な情報収集が不可欠です。思いつきで貸し出すと、思わぬトラブルや経済的損失に見舞われる可能性もあります。
ここでは、空き家を貸すまでの基本的なステップと、各段階で意識すべきポイントを紹介します。
最初のステップは、空き家の価値を正しく把握することです。物件の状態や立地条件、築年数、設備の充実度などをもとに、適正な賃料を知ることが重要です。不動産会社に依頼して査定を受けることで、地域の賃料相場との兼ね合いや、物件の強み・弱みも明らかになります。
査定は1社に限定せず、最低でも2〜3社に依頼して比較しましょう。それにより、相場のバラつきや賃料設定の幅も見えてきます。加えて、自分の希望賃料と市場の相場とのギャップを把握することで、現実的かつ競争力のある金額設定が可能になります。
空き家を貸す際、自主管理を選ぶ方もいますが、トラブル対応や入退去時の手続き、クレーム処理など、負担が大きくなりがちです。そうした負担を軽減するためには、信頼できる不動産管理会社への委託が効果的です。
地域密着型で評判の良い会社を数社ピックアップし、対応範囲(クレーム対応、家賃管理、修理手配など)や手数料(通常は賃料の5%程度)を比較検討しましょう。また、過去の管理実績や、空室率、トラブル発生時の対応力なども確認することで、信頼性のあるパートナーを選ぶことができます。
賃料査定の結果をもとに、実際に募集する際の入居条件を決めます。月額賃料はもちろん、敷金・礼金の設定、管理費・共益費の有無、契約期間、更新条件、解約時の条件などを明確にしておくことが重要です。
また、ペット可否、楽器の使用、法人契約、短期契約可否など、物件の特性やターゲット層に合わせて柔軟に条件設定を行いましょう。入居者の属性に合った条件を打ち出すことで、反響率や契約率が高まります。条件は明文化し、入居後のトラブル回避に役立てることが大切です。
賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、それぞれに特徴があります。
普通借家契約:契約期間終了後も、入居者が希望すれば原則として契約を更新する必要があります。
定期借家契約:契約期間満了と同時に契約が終了し、更新の義務がないため、将来的に自宅に戻る予定がある方に向いています。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、物件の運用方針や将来的なライフプランに合わせて選択しましょう。
管理会社に依頼する、または自らポータルサイトやSNSを使って募集する方法があります。掲載する情報は写真、間取り図、周辺環境、特徴的な設備など、視覚と情報の両面で魅力を伝える工夫が必要です。
また、見学予約や問合せへの対応スピードも契約率に影響します。空室期間を短くするためにも、早めの掲載と積極的なPRが求められます。
特に民泊用途での募集をお考えの場合、民泊は投資家や企業が物件探しに苦戦するほど人気が高く、需要に対して供給が追いついていない状況です。部屋バルでは常に民泊物件専門の仲介を行っているため、一般的な居住用賃貸よりもいち早く借主を見つけることが可能です。
入居希望者が決まったら、契約書の作成と締結に移ります。契約書には、賃料、契約期間、敷金・礼金、禁止事項、修繕の範囲、退去時の原状回復などを細かく記載します。加えて、重要事項説明書を発行し、借主に内容を説明する義務があります。
トラブルを防ぐため、契約内容の確認は不動産会社や専門家に依頼し、フォーマットの不備や曖昧な表現を避けましょう。審査時には、本人確認、収入証明、保証人の確認も行うことが基本です。
契約書の作成や重要事項説明書の発行、審査などの複雑な手続きについては、部屋バルですべて対応可能です。専門知識が必要な書類作成から契約締結まで、安心してお任せいただけます。
トラブル防止のために、物件の現況を写真や動画で記録しておきましょう。入居者が退去する際の原状回復に関するトラブルを防ぐ上で非常に有効です。特に、床や壁、設備の状態は丁寧に残しておくことをおすすめします。
賃貸物件には火災や水漏れ、事故などのリスクがあります。オーナーとしては、建物全体に対する火災保険や施設賠償責任保険への加入が一般的です。また、借主にも家財保険や借家人賠償責任保険の加入を義務付けることで、万が一のトラブル時に双方の負担を軽減できます。
契約時には、保険証券の写しを提出してもらうようにし、加入状況を確実に把握する体制を整えると安心です。保険内容も定期的に見直すことで、リスク対策を強化できます。
空き家を賃貸に出すことで得られるメリットは、経済的な収入だけにとどまりません。管理の手間が減るほか、防犯対策や地域活性化にもつながるなど様々なメリットがあります。
ここでは、空き家を貸すことで得られる代表的な4つの利点について分かりやすく解説します。
空き家は、人が住まなくなると急速に老朽化が進行します。湿気の滞留、換気不足、害虫の発生などが主な要因です。しかし、誰かが住むことで定期的に空気の入れ替えが行われ、水道や電気といったインフラも稼働状態を保つことができ、建物の劣化を防ぐ効果が期待できます。
また、定期的な清掃や設備の使用により、内部のコンディションを良好に保ちやすくなります。結果として、大規模な修繕や取り壊しを避けられるケースもあり、資産としての寿命を延ばすことが可能になります。
空き家を賃貸に出せば、毎月の家賃収入が安定的に得られるようになります。これは、固定資産税や建物の維持管理費、修繕費などをカバーできるだけでなく、老後資金や次の投資資金の源としても有効です。
特に、住宅ローンを完済している物件であれば、毎月の収入がそのまま利益となるケースもあり、不労所得の手段としても注目されています。また、家賃収入は長期的に見てインフレ対策にもなり得る点も魅力です。
空き家を人に貸すことで、その物件は「貸家建付地」として扱われ、固定資産評価額が引き下げられる可能性があります。結果として、相続時に課される相続税の評価額も低く抑えられ、節税につながるケースがあるのです。
ただし、これは条件によって異なり、物件の種類や賃貸契約の有無、賃料水準などが影響するため、事前に税理士など専門家と相談して、最適な相続対策を練ることが重要です。
実家や新婚時代の思い出が詰まった家を、手放すことなく維持したいと考える方も少なくありません。空き家を売却してしまうと所有権を失いますが、賃貸であれば所有権を維持したまま活用できます。
「将来的に子どもが戻ってくるかもしれない」「いつか自分が住むかもしれない」といった希望がある場合、賃貸という選択肢は非常に柔軟な対応策となります。家族の歴史を未来につなぐ手段として、心理的価値の高い方法でもあると言えるでしょう。
空き家の賃貸には多くのメリットがある一方で、事前に把握しておくべきデメリットやリスクも存在します。適切な準備と対策を講じることで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。
ここでは代表的な6つのデメリットについて詳しく解説します。
長年空き家のままにしていた物件は、内装や設備が老朽化している場合が多く、そのままでは貸し出せないケースがあります。入居者が快適に暮らせる状態にするためには、クロスの張り替え、キッチンやトイレのリフォーム、クリーニングなどの初期修繕が必要になることも。
特に築年数の古い住宅では、水回りや屋根・外壁の改修など大規模な工事が必要になることもあり、数十万円から百万円単位のコストがかかる場合もあります。事前に見積もりを取得し、必要な費用を算出しておくことが大切です。
ただし、民泊として部屋バル経由で貸し出す場合は、借主である投資家や企業にリフォーム費用を負担してもらえる場合があります。オーナー様の初期費用負担を大幅に軽減できる可能性があるため、詳細についてはお気軽にご相談ください。
不動産管理会社に管理を委託した場合、通常、家賃の5%前後が管理手数料として発生します。また、入居中にエアコンや給湯器などの設備が故障した場合、その修理費用は基本的にオーナー負担となります。
想定外の出費が発生することもあるため、毎月の家賃収入から一定の金額を維持費・修繕費として積み立てておくことがリスク対策として有効です。
ただし、部屋バル経由での貸し出しの場合は、借主が設備故障時の修理費などを負担する契約条件とすることも可能です。オーナー様の維持費負担を軽減できる場合もあるため、詳細についてはご相談ください。
物件を貸し出していても、オーナーには引き続き固定資産税の納税義務があります。借主が決まっていない期間でも税金は発生するため、空室リスクとあわせてこの支出も考慮した収支計画を立てる必要があります。
特に、住宅用地の特例対象外となる場合や、評価額が高い物件の場合は年間の負担が大きくなることもあるため、節税対策についても税理士と相談することをおすすめします。
賃貸経営では、入居者との間にトラブルが発生することもあります。例えば、家賃の滞納、騒音、ゴミの不適切な出し方、近隣住民とのトラブル、退去時の原状回復をめぐる問題などが典型的です。
管理会社に委託している場合でも、重大な判断や対応はオーナーの責任となるケースが多く、精神的なストレスにつながることもあります。事前にトラブルの事例や対応フローを確認し、契約時のルール設定を明確にしておくことが重要です。
ただし、民泊として貸し出して借主が代行会社に運営を依頼する場合は、ゲストとのトラブルや近隣住民とのトラブルなど、すべての対応を代行会社が行ってくれます。オーナー様がトラブル対応に時間を取られることなく、安心して運用していただけます。
空き家を貸す際には、さまざまな費用が発生する可能性があります。
たとえば、物件のリフォーム費用やクリーニング費用、設備の修繕費など、入居者を迎えるための準備にかかる初期費用があります。また、不動産会社に管理を委託する場合は管理手数料が発生し、賃貸契約書の作成や登記関連の費用なども考慮が必要です。
さらに、貸し出し期間中には火災保険料や固定資産税などの維持費も継続してかかります。これらの費用を事前に把握し、収支計画を立てることで、安定した賃貸運用が可能になります。
ただし、民泊として部屋バル経由で貸し出す場合は、これらの費用を0円で始めることが可能です。借主が初期費用から維持費まで負担するため、オーナー様は費用をかけることなく家賃収入を得ることができます。
1. リフォーム・修繕費
空き家の状態によって異なりますが、一般的には10万円〜100万円程度の費用がかかるケースが多く見られます。軽微な修繕で済む場合でも、クロスの貼り替え、ハウスクリーニング、水回りの整備などに数万円以上は必要です。
2. 仲介手数料
不動産会社に入居者募集を依頼する場合、家賃の1ヶ月分が相場となります。これは「成功報酬型」で、契約が成立した際に発生します。たとえば家賃が8万円であれば、8万円前後の支出を見込んでおきましょう。
3. 鍵交換・防犯対策費
前の住人がいた場合や、古い鍵のままでは防犯面に不安があるため、鍵交換を行うのが一般的です。費用は1万〜2万円程度。オートロックや防犯カメラの導入なども検討する場合、費用はさらに上がります。
4. 火災保険料
貸主として火災保険や施設賠償責任保険に加入する必要があります。年間で1万〜3万円程度が一般的な相場ですが、建物の構造や面積によって金額は変動します。
1. 管理手数料
不動産管理会社に業務を委託する場合、月額家賃の5%前後が相場です。家賃が10万円なら月5,000円、年間で6万円ほどの支出が発生します。
2. 設備の修繕費
エアコン、給湯器、ガスコンロ、インターホンなど、設備に不具合が発生した際の修理・交換費用はオーナーの負担になります。1件あたり1万円〜10万円以上のケースもあり、突発的な出費に備えた積立が必要です。
3. 固定資産税
土地や建物の評価額に応じて年に1回課税されます。都市部の物件では10万円を超えるケースもありますが、地方の空き家であれば数万円程度のことも。賃貸に出している期間中も課税対象である点に注意が必要です。
4. 広告宣伝費
空室が長期化した場合、不動産会社と相談のうえで再募集時に広告費(インターネット掲載やキャンペーン)を負担することがあります。1回につき1万〜3万円程度が相場です。
空き家を貸し出す際には、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。賃貸契約の内容や借主とのトラブル回避策、老朽化による修繕の責任範囲など、事前にしっかりと確認・準備しておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
特に個人で空き家を貸す場合、専門知識の不足から不利な契約や法的トラブルにつながる可能性もあるため、契約書の作成や入居者選定においては慎重な対応が求められます。
この章では、空き家を貸すうえで押さえておきたい3つのポイントを解説します。
住宅ローンを利用して購入した物件を貸し出す場合は、契約内容に注意が必要です。
多くの金融機関では、住宅ローンは「自己居住用」の目的で提供されており、居住していない状態で第三者に賃貸することを禁止しているケースがあります。もし無断で空き家を貸してしまうと、ローン契約違反と見なされ、一括返済を求められるなどのリスクが発生します。
貸し出しを検討する際には、まず金融機関に連絡し、賃貸可能かどうかを確認することが重要です。状況によっては、住宅ローンを賃貸用ローンへ切り替える必要があります。
また、ローンの契約条項や火災保険の条件も見直す必要があるため、事前に十分な調査と手続きを行うことが安全な運用につながります。
分譲マンションの一室を貸し出す場合、管理規約の内容を必ず確認する必要があります。多くのマンションでは、区分所有者が物件を第三者に賃貸することを制限したり、事前に管理組合への申請を義務付けていたりする場合があります。規約に違反した状態で貸し出すと、トラブルの原因になったり、管理組合から是正措置を求められることもあります。
また、賃貸にあたっては居住者のルールやゴミ出しのマナー、共有部分の利用方法などを入居者にも周知する必要があります。さらに、マンション内での他の住人とのトラブルが発生しやすい環境であるため、借主の選定や契約内容にはより一層注意が求められます。
管理規約を事前に確認し、問題なく貸し出せるかを把握した上で進めましょう。
空き家を親戚や友人、知人に貸す場合でも、必ず正式な賃貸借契約書を作成することが非常に重要です。口約束や簡易的な取り決めだけで貸してしまうと、後々のトラブルにつながる可能性が高くなります。
たとえば、賃料の支払いや修繕の責任範囲、退去時の原状回復などについての認識に違いがあると、信頼関係が崩れる原因になってしまいます。賃貸借契約書には、賃料・契約期間・解約条件・禁止事項などの基本事項に加えて、特別な合意事項があれば明文化しておくと安心です。
また、必要に応じて保証人を立てることや、保険加入を義務づけることも有効です。知人だからこそ「きちんと形に残す」ことが、良好な関係を維持しながら貸し出すための基本といえるでしょう。
空き家を貸すには、準備や契約、管理といったさまざまな工程がありますが、正しい知識とパートナーを得ることで、大きな資産価値へとつなげることができます。
部屋バルは、空き家活用に特化したサポートを提供しており、賃貸化に必要な業務をトータルで支援しています。初めての方でも安心して任せられる体制が整っているので、空き家をどう活かせば良いか迷っている方は、ぜひ一度部屋バルのサービスを検討してみてはいかがでしょうか。